格付けとは、通常、「Aaa」や「AA-」などのように格付け機関(会社)が企業の信用度をランク付けすることをいいます。
企業に限らず、大相撲における横綱、大関といった番付も格付けの一種ですし、自動車保険では等級によって保険料が違いますが、これも格付けの一種といえます。
また、最近では日本でもミシュランによる飲食店の格付けが始まりました。
事業を行なう以上、金融機関との取引は避けては通れません。
特に、融資を受けている場合には「金融機関があなたの会社をどう位置付けているか」が非常に重要になります。
位置づけにより、金融機関の態度が変わるからです。
この位置づけこそが、あなたの会社の格付けなのです。
金融機関が企業などに融資をする場合、貸し出すお金の元となる資金は、預金者から預っているお金です。
金融機関は、預金者から預金の払い出しに応じなければなりませんから、貸出金を確実に回収する必要があります。
貸出金が回収できない、いわゆる不良債権が増えると金融機関の損失が増えます。金融機関といえども通常は営利企業ですから、倒産の可能性があります。
倒産すれば、預金者の預金を払い出すことが出来なくなるかもしれません。
このような事態を避けるために、金融期間では、すべての取引先企業に対し独自の格付けを行ない、融資判断や回収方針の判断を行なっているのです。
つまり、格付け次第で金融機関の態度が変わるといっても過言ではないでしょう。
格付けは、「定量評価」と「定性評価」と呼ばれる2つの評価指標から算出されます。
「定量評価」では、決算書の数値をいくつかの項目に分析し、評価します。
具体的な評価項目として以下の4つがあります。
「定性評価」では、決算書からは分析できない項目、例えば"市場の動向"、"経営状態"、"営業力"などを点数付けすることにより評価します。
まとめると、以下のようになります。
「定量評価」は、客観的な評価で、数値換算できる評価。
「定性評価」は、主観的な評価で、数値換算しにくい評価。
このような項目を、金融機関が独自の方法で分析し、点数を付けていきます。
決算書が基礎資料となりますので、診断は年1回行なわれることとなります。
決算書で格付け診断される以上、適正な決算書を作成することは当然ですが、格付けを意識した適切な決算対策も重要と言えるのではないでしょうか。
金融機関では、債務者(貸出先)を大きく5つの区分に格付けしています。
この区分は、金融庁が発行する「金融検査マニュアル」と呼ばれる、金融庁の検査官が金融機関を検査する際の手引書の区分に沿っていると言われています。
金融検査マニュアルに定める各区分の内容は以下の通りです。
金融機関の格付け基準は、公開されているわけではありません。
しかしながら、金融検査マニュアルには信用格付けや債務者区分の方法が記載されているため、ほとんどの金融機関では金融検査マニュアルをベースに格付け方法を定めていると思われます。
つまり、どの金融機関であっても基本的な考え方や格付診断方法はほとんど変わらないと言えるでしょう。
野村経営税理士事務所では、金融検査マニュアルに沿った格付診断サービスを行なっています。
人間が健康診断を受けるように、企業には年1回の格付診断をお勧めします。
明日を良くするためには、今を知ることが重要です。
格付診断で課題を見つけ、明日からの経営に活かしませんか?