2011.03.16.
平成21年12月に施行された「中小企業金融円滑化法」というものをご存知ですか?
リーマンショック以降、業績悪化に見舞われ、思うように資金調達ができないなか、なんとか頑張って返済を続けてきた中小企業の経営者にとっては、その活用方法によって資金難から抜け出せる法案であると思われます。
しっかりと内容を理解し、難局を乗り越える有効な手段とする必要があります。
中小企業金融円滑化法の期限は当初、平成23年3月31日でした。しかし、円高による経済状況や依然厳しい雇用環境を受け、昨年末に期限を24年3月31日まで1年延長することが決まりました。
期限延長が決まった中小企業金融円滑化法ですが、その運用法にあたっては「これまでの実施状況を踏まえた、金融機関の開示・報告資料の大幅な簡素化」「金融機関による経営再建計画の策定支援等のコンサルティング機能の発揮の促進」といった点について改善が加わることになりました。
同法は、中小企業に対し返済猶予を与え、一時的に難局をしのぐためのものではありません。
与えられた返済猶予期間の間に、経営改善を行ってもらおうというのが、最大の目的となります。
中小企業金融円滑化法により得られるメリットは、以下になります。
金融機関から借り入れている中小企業と個人が、返済猶予・金利減免、返済期間の延長、債権放棄などの借入条件を変更したい場合に申請すると、金融機関は返済猶予や返済期間の延長に応じる努力義務が課されます。
これまで、条件変更を行うと「要管理先」と格付けがランクダウンするため、新規融資が受けられませんでした。
しかし、「条件変更を行っても不良債権としない」とする金融検査マニュアルが同法とともに改定され、リスケジュール中も新規融資を受けられるようになりました。
同法では、中小企業の借入金の返済条件変更、新規借入の支援とともに、中小企業の経営改善を支援するよう金融機関に努力義務を課しています。
金融機関も、融資金を返済される前に倒産されては困るため、積極的に経営改善支援を行っているようです。